【スーツオーダー失敗談】素材選びで失敗しない3つのポイント

  • 2020年9月29日
  • 2021年1月14日
  • Fashion

準備を念入りにしてテーラーに行ったら、「いざ、オーダー。」という事で実際にテーラーに行ってからの、スーツの生地選びについて書いていきます。

私は、生地選びはスーツをオーダーする上で、最も楽しく最も難しい事だと思っています。
デザインや寸法も、もちろん大切ですが一番スーツを印象付けるのは生地だからです。

今回はそんな大切な生地選びで失敗しないための3つのポイントをお伝えします。

バンチブック

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オーダー スーツ

素材選びで失敗しない3つのポイント『生地の選び方は?』

テーラーでの生地の選び方ですが、大きく分けて二通りです。

反物から選ぶのかバンチブックから選ぶのか、です。これはテーラーによって異なります。
反物だけ置いてあるテーラー、バンチブックだけ置いてあるテーラー、どちらも置いてある場合もありますが、どちらかに偏っている事の方が多いです。

後述しますが、個人的には反物をメインに扱っているテーラーの方が選びやすいです。

反物から生地を選ぶ

反物とは、生地用の布がそのまま置いてある状態です。たくさんの何メートルもの生地が板に巻き付けられ(もしくは吊るされ)、そこから気に入った生地を選びます。
生地が大きいので、体に当ててスーツにした時のイメージをする事が出来ます

オーダーの難しいところとして「完成品のイメージがしにくい。」というところがありますが、反物から選べるテーラーは、このイメージを作りやすいです。下の画像のように、マネキンにあてて比較することもで出来るので、完成品を見た時に「こんなはずじゃなかった。」という失敗をしにくいですね。

ちなみに画像のマネキン右後ろにたくさん重なっているのがすべて生地です。なかなか壮観ですよね。選ぶのも楽しいです。
写真のテーラーは東京神田にある深野羅紗店さんです。私も大好きな老舗テーラーです。大手だとSADAさんも反物を扱ってますね。

反物から選べるテーラーには、こうしたメリットがあり個人的にとてもおススメなのですが、デメリットもあります。

それは扱う生地数が少なくなる、という事です。反物は、バンチブック(生地のハギレを本にしたもの)よりも当然ながら場所をとるので、同じ店舗面積のテーラーでも店舗に置ける生地の数が少なくなってしまいます。
しかし、その分オーソドックスな生地を多くしているところが多いので、初めての方にはむしろ良いかもしれないですね。

・生地が大きく、体に当てて完成のイメージを作りやすい
・扱える生地の数が少なく、個性的な生地は選びにくい。

バンチブックから生地を選ぶ

バンチブック

バンチブックとは、サンプル生地のハギレをまとめて一冊の本にしたものです。主に、生地メーカーがテーラー向けに販売しており、ページをめくるように生地を見て、その中から気に入った生地を選びます。

反物を扱うテーラーとは違い、生地は工場にあるため、体に当ててみるという事はできません
しかし、その分コンパクトに多くの生地を扱えるのが魅力です。

生地 オーダー
たくさんの生地がある、という事は当然個性的な生地も多いので、選ぶ楽しみは倍増します。
オーダースーツ大手の、麻布テーラーさんはこのバンチブックがメインのテーラーですね。

・選べる生地の数が多く、選ぶ楽しみが倍増。
・サンプル生地の大きさが小さいので、完成品のイメージを作りにくい。

素材選びで失敗しない3つのポイント『生地の素材は?』

生地の素材はものすごく種類が多いです。
春夏物、秋冬物とそれぞれ異なる素材が使われ、その種類は膨大ですが、どちらにも共通して使われるのがウール(羊毛)です。

ウールというと冬物のイメージがありますが、全くそんな事はありません
むしろ既成で売っている春夏物スーツの大半はウールです。

ウールは季節を問わず、スーツ生地の基本中の基本なのです。
夏物の場合は薄めのウールにモヘアやリネンを混ぜ、冬物の場合は厚めのウールを起毛させるなどします。

春夏物、秋冬物の違いは?

春夏物、秋冬物で異なるのは、そのウールのウェイト、厚みです。
先のバンチブックの裏に記載がある事が多いのですが、1mあたりの重さが250グラム以下で春夏物、それ以上で秋冬物と覚えて頂ければと思います。ざっくりですがその基準で問題ないです。なぜかというとテーラーが「これは夏物(または冬物)生地です。」と教えてくれるからです。

夏物ウール生地
生地 ウール

冬物ウール生地
生地 ウール

ちなみに、合い物(オールシーズン対応)にしたい場合は、250グラム近辺の生地を選べば大丈夫です。オールシーズンスーツは、盛夏や真冬はちょっと頼りないですが、一気に何着も用意するのは大変なので選択肢としてアリだと思います。

・スーツ生地の基本はウール。季節問わずでウール。
・季節感はウールの厚みで調整。

素材選びで失敗しない3つのポイント『生地の色、柄は?』

さて、素材はウールに決めました。しかしウール生地は数が多いため、色や柄の選選択肢がたくさんあります。
本来は嬉しい事ですが、初めてのオーダーではそれを楽しむ余裕はありませんよね。私は五回目くらいまで、楽しみよりも不安が先行しました。

今回は失敗しないための生地選びという視点で、より安全な選び方をお伝えします。

用途を明確にしておく

オーダーを考えている方は、すでにこれは出来ているもしれませんが、今一度確認をお願いします
例えば「冠婚葬祭用のスーツが欲しい。」、「仕事でびしっと見せたい時に使いたい。」といったように、メインの用途をブレさせない事は大切です。

ここがブレると「いつ使えるんだ、このスーツ。」という失敗に繋がりかねません。
「せっかくのオーダーだから、冠婚葬祭にも使いたいし仕事、できたらパーティーにも。」などと欲をかくと、なんとも中途半端なスーツになってしまいます

オーダー スーツ

また、「とりあえずテーラーに行ってみて、なんとなく好きな生地にしよう。」という思考でオーダーすると、好みの色や柄に引っ張られすぎて、TPOにそぐわないスーツになってしまいます

「芸人か。」とツッコミたくなるような派手なスーツにならないよう、使用シーン、用途は明確に確認を。

迷ったら地味な方にする

これはもはや、皆様ではなく自分自身に伝えたい事ですね。
私は「迷ったら好きな方にする。」と思いながらオーダーをして、何度も「芸人風スーツ」を作り出しています。想像してみてください。

その派手なスーツを着てどこに行きますか?
そのスーツを着て電車に乗れますか?
転勤で地方に行っても使えますか?

選択肢が絞られてきて二択になったら、是非この言葉を思い出してください。数年後、いや3か月後、あなたが着ているのは絶対に地味なスーツです。

【スーツオーダー失敗談】よくある失敗例

ここで私の失敗談を。是非反面教師にしてください。
上記した「迷ったら地味な方にする。」という事が分かっていながら、私は何度も失敗を繰り返しています
人にもよるかと思いますが、バンチブックで選ぶテーラーでは特に着用イメージよりも生地単体の魅力に目が行きがちです。
そして、生地単体ではやっぱり柄がある生地の方が魅力的なわけです。

テーラーからすると柄物の生地の方が面白い

当然オーダーではテーラーの方と話しながら生地を決めていくわけですが、テーラー的には派手な生地のスーツの方が面白いのです。
毎日たくさんのシンプルなスーツを仕立てているわけですから面白いスーツをおススメしたいと思うのも当然です。
もちろん無理強いされる事はありませんが、テーラーと話していると段々派手な柄の生地に目が行くようになってきます。
オーダースーツを仕立てる時、私がなんとなく感じているのは「テーラーと二人で作品を作っている。」ような感覚です。
「こうしたらもっと面白い作品になる。」、「こうしたらもっと格好いい。」という意見を出し合って、段々盛り上がってしまいます。
テーラーズハイと言いますか、まあとても楽しいんです。
しかし、それはスーツ好きの二人だからでありまして。第三者の目で見ると、なんとも派手なスーツに仕上がってしまうのです。

盛り上がっても一度客観視する

これが大事です。「テーラーズハイになって周りが見えなくなっていないか。」、「このスーツで電車に乗れるのか。」と一度冷静になってください
生地を地味にしてもディティールに拘ればちゃんと愛着のあるスーツが仕上がります。テーラーとはそこでも盛り上がれます。
冷静になっても「面白い方がいいや。」と客観した自分を振り切る方は、それはそれで楽しいとは思います。
現に私は何度同じ失敗をしてもまた楽しくテーラーに通っています。

素材選びで失敗しない3つのポイント『まとめ』

しっかりと下記のポイントを押さえれば、生地選びはとても楽しいものです。是非最高の生地を見つけてください。

・反物から選べるテーラーに行く。
・生地の素材はウールを選ぶ。
・色や柄は地味なものを選ぶ。